生放送4,000回の元NHKキャスターが教える 動画初心者のための 「話す力」で夢を叶える方法 

〜連載Vol.2 冒頭3秒で信頼を勝ち取る!「パブリックセルフイメージ」の作り方〜

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「動画を始めたいけど、何から始めていいかわからない」、「動画を始めてはみたが、すぐに挫折した」といった悩みを持った動画初心者が、動画活用の最初の一歩を踏み出し、一本の動画を完成するための本企画。前回は、動画でメッセージを発信する上で基本となる心得とメインメッセージの作り方についてご紹介しました。第2回目のテーマは「パブリックセルフイメージの作り方」です。動画の場合、視聴するかしないかは100%視聴者に委ねられています。人はパッと映ったその瞬間に、あなたの印象を決めています。その一瞬で信頼を得るか失うかは、あなた次第!重信香織流「パブリックセルフイメージ」の極意を習得しましょう。

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重信香織(しげのぶ・かおり)

動画スピーチコンサルタント

 

大学卒業後、NHK鹿児島放送局にキャスターとして採用される。ディレクターとして制作業務も兼務し、企画から取材、台本作成、出演まで担当。その後フリーキャスターに転身。キャスターオーディション合格率は100%を誇り、生放送は4,000回以上の実績がある。現在は、「話す力で夢を叶える人を応援する!」をミッションに、動画やオンラインをビジネスに活用したい企業や個人起業家を対象に、動画スピーチコンサルティングに従事。単なる話し方ではなく、本質的な課題と解決策を提示しコミュニケーションの本質にアプローチする手法には定評がある。

過去に動画を挫折した人の共通点

こんにちは、動画スピーチコンサルタントの重信香織です。

 

前回は、パブリックスピーチの心得と、動画の肝である「メインメッセージ」を見つけるための方法を紹介しました。伝える相手を具体的に思い浮かべ、彼/彼女らが聴きたいことと、自分が伝えたいことの交わるところに眠っている「メインメッセージ」を見つけ、メインメッセージをサポートする材料を揃えるところまでお伝えしました。

第一回はこちらから

 

今回のテーマは「パブリックセルフイメージ」です。普段の素の自分ではなく、ビジネスシーンにおける公のイメージを「パブリックセルフイメージ」と呼んでいます。この「パブリックセルフイメージ」も伝わる動画には欠かせない要素ですので、丁寧に説明できればと思います。

 

私のところには、過去に動画で挫折した方が多くいらっしゃいます。その中でも「動画を作ってはみたが、画面に映った自分の姿が理想とは程遠くて嫌気がさした」とか、「頑張って作った動画はお蔵入りになった」といった声がとても多いです。

 

では、テレビに出ている人や人気のYouTuber、動画を上手に活用できている人たちが特別なのかというと、決してそうではありません。彼らと挫折した方々との違いは、メディアに出る時の自分をしっかり用意できているかどうかだけのことです。

 

「動画で話す」というのは、勇気もいるし、覚悟もいることだと思います。もちろん私もそうでした。怖かったです。それを「パブリックな重信香織」というスイッチを手に入れ、「今日はこの人たちのためにこれを伝えよう」とマインドセットして臨むことで私は勇気をもらい、背筋を伸ばすことができています。それは視覚情報を準備することに直結します。ぜひ、一緒に動画用の「パブリックセルフイメージ」を作り上げていきましょう!

 

コラム:信頼は、映った瞬間に作ることができるし、逆に失うこともできる

信用と信頼の違いを知っていますか?

信用はこれまでの実績や経歴で得られるもの。信頼は未来の行動を期待する感情です。

 

人は、言葉やバックグラウンドなどの情報がない状態で、無意識に印象だけで判断する生き物です。そのため、パッと映った瞬間にその動画に映った人を信頼できるかどうかを判断しています。

 

映った瞬間に、信頼感/清潔感/期待感を視覚的に与えるために、この「パブリックセルフイメージ」が必要不可欠なのです!相手に信頼される「自分」をプロデュースしましょう。これは、「なりたい自分」ではなく、相手にとって信頼できる「自分」というところがポイントです。

パブリックセルフイメージの作り方

具体的なパブリックセルフイメージの作り方に入る前に、下の写真を見てください。

 

この2枚の写真は両方私です。左はNHK鹿児島放送局時代の写真で、右は東京でフリーキャスターの時の写真です。鹿児島では、視聴者は年配の方が多く、真面目さや親しみやすさ、共感などを大切にしていました。一方、東京で経済ニュースや選挙の特番などを担当していた時は、知的さや強さ、クールなイメージを意識しました。視聴者が期待するイメージが異なるため、私のパブリックセルフイメージにもこのような違いがでます。パブリックセルフイメージを作る作業は、相手が期待する理想の自分を作ることに他なりません。

 

では、パブリックセルフイメージを作るためのワークを紹介します。皆さんも実践してみてください。

 

1 「自分が思っている自分」に当てはまるキーワードを下記から選択してください(いくつでも)。

 

2 「他人が思っている自分の印象」をキーワードより選択してもらってください(いくつでも)。できれば10人位に聞いてみることを目指しましょう。ターゲット(視聴者)に近い相手がベストですが、ご家族やご友人などでもいいですよ。

 

3 「相手に見せたい理想の自分」に当てはまるキーワードを下記から選択してください(いくつでも)。

キーワード:

親しみやすい、明るい、柔らかい、優しい、ゆっくり、パステルカラー、可愛い、共感、安心感、外交的、社交的、元気、堂々と、穏やか、真面目、誠実、ユニーク、華やか、知的、凛とした、ダンディ、かっこいい、可愛い、スマート、クール、大人っぽい、洗練された、成熟した、個性的、リーダーシップ、強い、信頼、自信、綺麗、鮮やか、原色、はっきり、独立、権威

なぜこのワークが効果的かというと、①と②のギャップが可視化されるからです。人は、「自分が思っている自分」を、他人も同じように受けとめてくれていると思いがちです。でも、実際はそうではありません。まずはその事実に気づくことがとても重要です。

 

なぜなら動画の場合は、自分のことを知らない人に見られる場合が多いので「自分が思っている自分」の印象でなく、「他人が持っている印象」がそのまま視聴者に与えられる可能性が高いから。その印象のギャップのせいで、信頼につながらないだけでなく、伝えたいメッセージが伝わらないというリスクにも直結します。ですからここはとても重要なワークになります。

 

①と②のギャップが見えたら、③「相手に見せたい理想の自分」を導き出しましょう。

「相手が期待する理想の自分」をあなた自身の中から見つける

前回、明確にした聞き手を、ここでもう一度具体的に思い浮かべてください。相手は誰で、どんな悩みを持っていて、相手はあなたに何を期待しているのか。

 

その準備ができたら、今度はその人があなたに期待するあなた自身のイメージを視覚情報と聴覚情報とに分けて設定していきます。ここはお一人で導くには少々難易度が高いので、3つのパターンをご用意しました。

 

経営者・リーダータイプは・・・

カウンセラータイプは・・・

営業・渉外タイプは・・・

 

いかがですか。あなたが「相手に見せたい理想の自分」は、3つのうちどのタイプでしょうか。理想のタイプが決まったら、あなたのパプリックセルフイメージを設定しましょう。

 

これが、動画やオンラインで話すときの「あなた」です。ここでNGなのが「全く新しいあなた」になろうとすること。そうではなく、あなたの中から理想の要素を引っ張り出すイメージです。

 

なかなかイメージしにくいという方のためには、モデリングという手法が効果的です。これは、あなたの理想に近い誰かを真似する手法です。「あんな風に話せるようになりたい」という理想のスピーカーはいませんか?思い浮かんだら、まずはあなたがその人を選んだ理由を明確にしましょう。この「理由」を深堀する作業がとても大切です。どうしてその人に惹きつけられたのか。見た目はどんな風か。話し方の特徴は?声のトーンや表情は?これらをどんどん書き出してみましょう。

 

私がクライアントさんとこの作業をするとき、モデリング対象者の方の動画をみて、私がその人の特徴を一緒にヒアリングします。でも、動画がない場合は、その方の特徴や、その人を選んだ理由、印象を聞いていくと、見た目でなく「生き様」に共感している場合がとても多いです。そこで、「なぜその人の生き様に共感するのか」という部分を掘り下げてヒアリングしていくと、いろんなキーワードが出てきます。そのキーワードを見た目や聴覚に落とし込んでいくと、自分のパブリックセルフイメージが設定しやすくなると思います。

 

これで、一旦あなたのパブリックセルフイメージは完成ですが、現時点では仮決め程度だと思ってください。実践しながら、必要に応じて調整していってくださいね。

 

動画という性質上、ネット上にあげたら残ってしまうという怖さがあるかもしれませんが、認知されるまでは実験と思って、試行錯誤してください。これは動画を公開する/しないも含めて考えていただければと思います。ただ、徐々に認知され始めたら、あまりパブリックセルフイメージは変えないこと。もちろん微調整は必要ですが、印象がコロコロ変わると、信頼を失うことに繋がりかねません!

 

次回は、ついに「構成シナリオの作り方」をテーマにお伝えします。動画完成までもう一息です。一緒に頑張りましょう!お楽しみに。

 

連載Vol.1 動画を途中で消させない!「メインメッセージ」の作り方 はこちらから

 

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