「日本一」直伝 Facebookライブ活用の極意

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ビジネスシーンの「ライブ配信」と聞くと、TVショッピングのようなライブコマースを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。現在、ライブ配信は、YouTube、Twitter、InstagramなどあらゆるSNSで行うことができ、コロナ禍を境にライブ配信がD2C (Direct to Consumer)の手段として当たり前になりつつあります。そのような中、あまり馴染みのない「Facebookライブ」で成功している“ライブ配信長者”が増えています。「Facebookライブ」の実態を明らかにするべく、日本最大級のライブ配信コミュニティ「ライブ配信研究会」を主宰する赤城良典(あかぎ・よしのり)さんにお話を聞きました。

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赤城良典(あかぎ・よしのり)

株式会社アップデイト代表

ビジネスライバー

 

ビジネスライブ配信の第一人者。安定収入と時間の自由を手に入れる新しい働き方「自動化オンラインビジネス」を提唱している。視聴者ゼロから始めたFacebookライブは200万人に届くまでに。アドバイスを求める声が急増し、コロナ禍で窮地に陥った事業者たちが赤城メソッドを実践することで数多くのライブ配信長者を生み出す。主宰する「ライブ配信研究会」は会員数1,500名以上。ライブマーケティングの第一人者として注目を浴びている。2021年9月に刊行した新刊『ビジネスライブ配信のはじめ方』(フォレスト出版)はアマゾンランキングの情報・コンピュータ産業カテゴリで1位を獲得。

「ビジネスライブ配信」の手段が「Facebookライブ」一択の理由

編集部(以下、−−) 赤城さんが提唱されている「ビジネスライブ配信」とは一体どういったものなのでしょうか。

 

赤城さん(以下、敬称略) 私が提唱している「ビジネスライブ配信」とは、売り込みを目的とせず、視聴者との関係性を築くために行うライブ配信のことです。現在、ライブ配信には、インスタライブやYouTubeライブなどいろいろありますが、その中で、私はFacebookを活用したライブ配信がこの目的に合うと考えています。売り込みをせずに商品やサービスが売れるためには、お客様に認知され、信頼され、支持される必要があります。それができるツールが「Facebookライブ」なんです。

 

 

−− ライブ配信の手段が「Facebookライブ」である理由を教えてください。

 

赤城 一言でいうと拡散力があるからです。有名人やインフルエンサーの人であれば、どのSNSを活用しても拡散することができますが、普通の中小企業や個人が同じことをしようとしても難しい。けれど、Facebookでライブ配信を行うと、普通の人でもFacebookが拡散してくれるのです。例えば、〈Facebookページ〉は、個人アカウントよりも拡散されやすく、リーチ数も伸びやすいことが独自のリサーチで分かっています。〈Facebookページ〉は、個人アカウントがあれば誰でも作成でき、費用は一切かかりません。この〈Facebookページ〉でライブ配信をし、個人アカウントで拡散することで、Facebook上に存在する直接つながっていないユーザーともつながれる可能性が広がるのです。

 

−− なぜライブ配信の手段がInstagramやYouTubeではなく、Facebookなのでしょうか。

 

赤城 大きく3つあります。1つ目は、今お伝えした通り、拡散力があるから。2つ目はInstagramやYouTubeに比べてFacebookライブはブルーオーシャン市場であることです。私がFacebookライブをスタートした2019年8月1日はFacebookライブをしている人も、見ている人も、やろうとしている人も、ほとんどいませんでした。日本のFacebookユーザーは2,600万人もいますが、ライバー(ライブ配信者)の数は少ないので視聴される確率が高いのです。もちろん、私が提唱したことで、この2年でかなりライバー数は増えていますが、それでもInstagramやYouTubeに比べると、競争の激しさは圧倒的に少ない状態です。3つ目の理由は、Facebookのみユーザーが「実名」であることです。実名であるがゆえに、ライバーも視聴者も安心できる環境下で質の良いコミュニティが形成できます。ビジネスで活用する以上、炎上や辛辣なコメントは誰しも避けたいはずです。

 

−− そもそも、赤城さんがFacebookライブを始めたきっかけはなんだったんですか?

 

赤城 2019年7月にアメリカでFacebookライブが注目されているという情報を私がキャッチしたことがきっかけです。当時、コストをかけずに新規顧客を開拓する方法を模索していた私は一つの可能性としてFacebookライブを始めてみることにしました。しかし、視聴者ゼロが3週間も続き、「もうやめようか」と思った22日目に、ライブ配信後に字幕付きの動画を再投稿したら、そのアーカイブの動画が3,000人に見られたんです。

 

−− そこからどのようにして、200万人に届けるビジネスライバーになれたのでしょうか。

 

赤城 アーカイブ動画が見られたことで、その拡散力にびっくりして、「これは・・・もしかしたら」と、私の試行錯誤が始まりました。データをとっては分析を繰り返し、どうしたら視聴者が増えるのか、どうしたらコメントをもらえるか、当時は、四六時中考えていました。マネタイズできたのは開始から7、8ヶ月経った頃。

 

−− コロナが日本を直撃した時期ですね。

 

赤城 はい。オンラインビジネスの需要が一気に高まり、問合わせが殺到したんです。対面で接触型のビジネスをされていた方々は、非接触型のビジネスへの転換が求められました。この時、経費をかけることなく、すぐに取り組める方法がFacebookライブだったわけです。実際、多くのクライアントの方々が、ライブ配信を通じて、ビジネスが再び成長するようになりました。これらの理由から自信を持って言えることは、ライブ配信は「Facebookライブ」一択で!ということです。

 

赤城さんのFacebookライブの様子を20分のダイジェスト版でご覧ください。

今すぐ始めるべき!Facebookライブ最大のメリット

−− Facebookライブはどんな業種業態にも向いているのでしょうか。

 

赤城 もちろんです。私は無料の「ライブ配信研究会」や有料のオンラインビジネススクール「B-School」、個別コンサルティングなどをしているのですが、本当にあらゆる業種業態の方から成功事例が上がってきます。対面が当たり前だったサービスの方ほど、Facebookライブで新たなビジネスモデルを確立しています。例えば、コロナ禍で料理教室ができなくなり、ライブ配信を始めたことで、オンライン型の料理教室に転換することに成功し、現在は、教室などのスモールビジネスのコンサルティングも行っている料理研究家‧内田惠美さん。また、不動産の内見をライブ配信し、日本で初めてライブ配信で3,000万円の不動産を成約した山形で不動産業を営む池野広さん。ライブ配信で採用に成功し、業界で人材難の歯科衛生士の採用にかかる150万円のコストをゼロにした歯科医院を経営する年名淳さんなど、あげればキリがありません!

 

−− Facebookライブの一番の利点はなんでしょうか。

 

赤城 ライブ配信の素晴らしいところは、コストをかけずに新規顧客を開拓することができることです。そのために重要なことが、「専門性」より先に「人間性」です。企業であれば「ミッション」です。私自身もライブ配信しながら、自分の仕事への思いやミッションについて語り始めたら、視聴者が増え、コメントもつくようになりました。今では1回のライブ配信で、多い時は600件以上のコメントがつきますが、これは私がどんな人間なのか、何を大切にして仕事をしているのかを伝えてきた結果です。

 

−− 「人間性」は、どうしたら視聴者に伝わりますか?

 

赤城 「何を大切にして仕事をしているのか?」という言葉と、実際の行動を一致させることです。そこに一貫性がないと伝わりません。口先だけで行動が伴っていなければ、信頼されません。逆に言えば、誠実にビジネスをしてきた方にとっては「そのまま」で大丈夫です。

 

−− 「そのまま」でいいんですか?

 

赤城 「いつも通りのあなたで良い」のではなく、「いつも通りのあなたでなくてはダメ」なんです。「編集ができないライブ」はアクシデントがつきものです。ライブ配信中に、荷物が届いた、水がこぼれた、子どもが乱入してきた、マイクが5分間オフだった!(笑)など、一見すると失敗と思えるようなアクシデントにどう対応するのかに人間性が垣間見えます。その人柄や考え方が、視聴者の共感を呼び、伝説のライブ回になっていくのです。

 

−− とはいえ、ライブを配信するにはまだ勇気が出ない、という方も多いと思います。そういう方は何から始めたらいいでしょうか。

 

赤城 勇気が出ないのは、やり方がわからない時に、聞ける人がいないからです。まずは、私が主宰している無料のライブ配信研究会に参加してみてください。そこでは、初級者さんから上級者さんまで様々な業種の方が、毎日ライブ配信をしているのでイメージがつかめると思います。このまま独力で目標を達成できる人も沢山います。さらに結果を出したい方は、有料のB-Schoolに来ていただいていて、他の仲間と一緒に、それぞれが望む結果が出せるように情報交換しながら取り組んでいます。

 

コラム:時代の先をゆく!『Facebookライブ配信長者たち』

 

ライブ配信長者1: 声の専門家・うしおまこ さん

コロナ禍で、企業研修や講演の仕事が激減!起死回生を図りライブ配信を始めたところ、大成功!企業研修の単価が3倍に。有料広告をかけずライブ配信のみでオンラインスクールの集客にも成功。

 

ライブ配信長者2: ITツール活用の専門家・藤羽良真智子 さん

下請け仕事の事務代行業による長時間労働から抜け出せない働き方から、ライブ配信で顧客を直接作り出すことができたことで、働く時間が半分になったのに売上は2倍に。

 

ライブ配信長者3:オンライン・プレゼンの専門家・グレイス加余 さん

コロナ禍で38年間のCA(キャビンアテンダント)生活にピリオド。ライブ配信を学び、急務となったオンラインで成果を出せるプレゼンテーションの方法を教えることで、1年で500万円以上稼ぐように。

 

これら事例の業種業態は様々ですが、コロナで苦境に立たされたことは共通しています。赤城さん曰く、「苦境は富が移動するタイミング」とのこと。このFacebookライブ配信長者たちも、コロナ禍でみなさんと同じスタートラインに立っていました。知識や経験がない中で、テクノロジーやツールを学び実践して今があります。そしてライブ配信をきっかけに、新たなオンラインビジネスを構築している点も全てに共通しています。

Facebookライブからマネタイズするための極意

−− ライブ配信からどのようにしてビジネスにつなげればいいのでしょうか。

 

赤城 ライブ配信からマネタイズするためには、認知してもらい、選んでもらい、購入してもらい、さらに口コミしてもらうという一連のプロセスが必要です。まずは、Facebookの拡散力を生かして、認知活動をする。存在が知られていないとマネタイズできないからです。この時期に有効なのが、ライブ配信した動画を編集して再投稿することです。ワンテーマを10分〜15分でライブ配信したものを、ダウンロードして編集し、Facebookページに再投稿して、自分を知ってもらう機会を増やすことで、認知度を広げていくことができます。編集にさける時間的余裕があれば、アーカイブ動画は誰でも活用するべきだと思いますよ。

 

−− アーカイブ動画を活用する際の注意点はありますか?

 

赤城 この時は、ライブではなく動画なので、見やすさや分かりやすさが重要になります。まずは視聴者の興味を惹きつけるタイトル、それがわかるサムネイル、さらに理解力をサポートするテロップ(字幕)をつけると良いです。動画は24時間365日営業してくれるあなたの分身ですから、この労力は価値のあるものだと思います。そのアーカイブ動画をFacebookページに投稿したものを、個人のアカウントでシェアして拡散します。もちろん、その他のSNSでも拡散してみてください。とにかく多くの人にあなたのことを知ってもらうことが目的ですから。

 

−− 認知度が上がってきたら、次のステップはなんでしょうか。

 

赤城 認知度が上がったことで、繰り返し視聴してくれる人たちが生まれます。このようなファンが定着してきたら、次は「コミュニティ」を作っていきます。今の時代、「コミュニティ」は非常に重要です。人と人とのつながりが問題解決の力を発揮することもあれば、口コミで新規顧客獲得にもつながります。

 

 

−− 中小企業にも「コミュニティ」は必要だと思いますか?

 

赤城 中小企業こそ必要です。お客様や取引先と直接つながり、コミュニティ内で皆さんの意見やアイデアを取り入れることで、ニーズのある“売れる商品やサービス”を提供できるようになるからです。さらにコミュニティが宣伝広告してくれる※エバンジェリストになり、そしてお客様にもなるという状況が、これからは当たり前になっていくと思います。

※自社の製品やサービスを伝え、啓発してくれる人たちのこと

 

−− 「コミュニティ」を作るためにはどのようなビジネス設計が必要でしょうか。

 

赤城 自分のビジネスに共感し、応援してくれる人たちを増やしていくためにFacebookライブを行い、そこから応援してくれる人たちを集めた「コミュニティ」を作り、メールマガジンの購読を促すなどのビジネス設計が必要になってきます。私はこのような一連のプロセスを「奥座敷ビジネスモデル」と呼んでいます。

 

−− 「奥座敷ビジネスモデル」とは?

 

赤城 「奥座敷ビジネスモデル」とは、適切な人に対して適切なオファーを提供するビジネスモデルのことです。これをやらないと「売り込み」になってしまうんですね。そうではなく、事前に自分たちのビジネスへの思いを理解してもらい、その上で、商品、サービスの詳細を知りたい人には手をあげてもらう。そして、手をあげた人たちにだけオファーを案内するのです。これなら、売り込み感ゼロです。

 

−− 赤城さんの場合はどのようなビジネス設計になっているのでしょうか。

 

赤城 私の場合は、①誰でも見られるFacebookライブで共感してくれる人を増やす。 → ②ライブ配信研究会に参加して手をあげてもらう。 → ③勉強会を通じて価値に見合うかどうかを確認してもらう。→ ④月額19,800円のオンラインビジネススクールB-Schoolのメンバー同士で切磋琢磨し合う。 → ⑤個別コンサルティングでカスタマイズしたアドバイスを受けられる、という5種類のステップになっています。

 

−− なるほど。売り込み感が全くないことに加え、相手が必要とするサービスが常にオファーできる状態にありますね。これらを全て一人でされているとは、すごいですね!最後に、まだFacebookライブを知らない/やったことが無いという人たちへメッセージをお願いします。

 

赤城 中小企業こそ、このFacebookライブを活用するべきです。なぜなら、コストをかけずに集客や人材募集ができるからです。これまで、多くの中小企業は広告頼みでした。しかし、今は、広告費を使わず、自らの工夫で、集客・宣伝・人材採用ができるようになったのです。さらに私が目指しているのは “究極の働き方改革”です。今までは働く時間をどう削減するかで、そのためには収入が減っても仕方がないという考え方が一般的でした。そうではなく、これからは“自分の分身をどう増やせるか”が重要になってきます。デジタルコンテンツを活用し、オンラインビジネスを確立することで、時間の効果性を高めて充実したプライベートを過ごせる働き方を提唱していきたいです。そのツールの一つがFacebookライブです。ぜひ、皆さんも、テクノロジーを使いこなして、健康で充実した人生を過ごしていただきたいと思います!

 

赤城さんは2021年9月18日にフォレスト出版より『ビジネスライブ配信のはじめ方』を刊行されました。私も拝読しましたが、Facebookライブの仕組みから、はじめ方、ビジネス構築の方法まで丁寧に解説されています。ご興味ある方はぜひこちらをチェックしてください。 https://amzn.to/3sfk5oU

コラム:ライブ配信は対面ができない状況下での代替物ではない

 

10年以上前から非接触型のオンラインビジネスモデルを確立している赤城さん。このwithコロナ時代に私たちが求められていることを聞きました。

 

赤城 「デジタルバイド(デジタル格差)」という現象をご存知ですか?これは何かというと、ITやテクノロジーを使える人と使えない人との間に生じる情報格差が、貧富の差を生んでいるという現象です。コロナによりこの格差が広がっています。今、様々なシステムや便利なツールは世の中に溢れていますが、知らない人や、知っていても使わない人が多い。だから本来人の手がやらなくていいことに時間と労力を割くことになり、生産性が落ちて、常に忙しく経済的にも困窮します。反対に、対面だけでなくデジタルもフル活用している人は、より生産性の高い仕事をし、よりクリエイティブなことに時間を使っています。そうすると何が起きるかというと、オンラインで全く違う価値提供が生まれ、仕事の単価が上がるだけでなく、自由な時間が増えるんです。デジタルをうまく使えていない人に共通しているのは、対面ビジネスができないから、代替物として“仕方なく”オンラインや動画を活用していることです。こういう意識を持っていたら、この時代で成功することは難しいですし、非常にもったいない状態だと思います。これまで多くの人が「会って話すこと」のみが最上の手段だと思い込んできました。でも、本当にそうでしょうか。距離や時間の制約がないオンラインビジネスは、これまで不可能だったことを可能にしています。その可能性に気づき、うまく活用することがとても大切です。

 

 

 

赤城さん公式サイト:

https://akagifufu.com

 

赤城さんFacebookページ:

https://www.facebook.com/akagifufu1/

 

赤城さんが主宰するライブ配信研究会:
https://www.facebook.com/groups/livestream.leaders