よむどー総集編Vol.1 動画活用でファン&売上&収益チャンネル増! ある飲食店の成功事例
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コロナ禍で大きな影響を受けている業態の一つが飲食店です。しかし、コロナ禍でも堅実に業績を伸ばす飲食店があります。また、コロナで大変な状況に陥ったものの、そこから再起を図り新たな挑戦から活路を見出したお店もあります。彼らに共通している成功法則とは?学ぶべき飲食店経営の極意とは?
成功の方程式?「動画活用×ECショップ」
今回、登場するのは、飲食店の経営者3名。ラーメン店を経営するラーメンろたすの高梨社長、イタリアンレストラン「ラ・ボッテガイア」を経営する青池社長、洋菓子店「ビルソンローラーズ」を経営する門傳社長。コロナ禍でも独自の方法で業績を伸ばしている企業です。
商材が全く異なる3名に、ある共通点があります。ひとつはECショップが活況であること。ふたつ目はECシップへの入口に動画が欠かせないこと。
まずは、3社が配信している動画の概要や内容を見てみましょう。
どのチャンネルも人気で、固定のファンがついています。それでは、どのようにして動画からECショップの収益につなげているのでしょうか。こちらも3社を比べてみましょう。
3社に共通していることは、視聴者の見たいもの/興味がある情報を出し惜しみなく提供し、結果として視聴者がECショップで購入する流れを戦略的に生み出していること。動画でプロのレシピを学び、自ら作ってみる。次第にその人の人柄やコンテンツのファンになっていきます。みなさん、動画による実店舗への集客効果を実感しています。青池さんに至っては、動画で顔出しをしていることもあり、青池さん目当てに来店する人も増えたようです。また、コロナ禍で席数が減少したことで、メニューやコンセプトを変え、客単価を上げることに。しかし、動画によって、「このお店に行きたい」「青池さんに会いたい」というこれまでと違った顧客層を獲得。直接青池さんと会話できることも、顧客満足度にも貢献しているといいます。
もちろん遠方で直接お店に行けない人は、ECショップで商品を購入することが可能となり、気軽にプロの味を体験することができます。
そして3社に共通しているのは押し売り感が一切ないこと。動画を見ることも、実店舗に行くことも、ECシップで買い物することも、すべて視聴者自身が決断しています。私も、つい「ポチッ」と押してしまった一人です(笑)。そして、それぞれ大満足でしたので、その後は贈答用で再購入しました。今でも(プライベートで)定期的にYouTubeをのぞいては、レシピや新商品の情報をチェックしています。固定ファンをつくるのに、動画とECショップは相性がいいことがよくわかります。
以前、取材したとき、高梨社長が「人は確認したくなる生き物」と言っていました。つまり、動画でレシピを詳細に公開しても、視聴者は、お店やECショップでプロの味を確かめるのです。
忙しい業務の中で動画を配信出来るワケ
動画活用をこれから始める人にとっては、立ちはだかる課題はたくさんありますが、すでに動画を活用している人たちの課題は常に『時間×労力×人』です。つまり、かかる時間と労力に加え、「誰がやるか」が大きな壁となっているケースが非常に多いです。
そのような中で、みなさん共通しているのが、実店舗をとても大切にされているということ。では、動画活用における『時間×労力×人』という課題をどのように克服されているのでしょうか。
高梨社長と門傳社長の場合は、彼ら自身がYouTube専任です。企画や撮影、編集、投稿に至るまで、全ての作業を担っています。それ以外の業務を他のスタッフに任せられるように仕組み化するのが経営者の役目だと言います。
YouTubeだけに集中できるといっても、撮影から編集作業に膨大な時間と労力を費やしています。高梨さんは週に1本の動画更新を2週間続けたら、次の2週間はおやすみ、という風にペースを変えて調整しています。動画活用は、継続することが何よりも大事なんですね。
門傳社長の場合はどうでしょうか。
ビルソンローラーズの視聴者は国外にも多くいることから、日本語での解説は最小限に。同時にテロップや編集作業も最小限の労力に抑えています。その理由は、優先すべきは一人でも多くの人に見てもらうことだから。そのためには、編集に力を入れ過ぎず、サムネイルやタイトルを考えることに力を入れるべきだと話します。
青池さんの場合は、企画(レシピ)は青池さんが考えるものの、撮影から編集など動画に関わる業務は全て同級生で映像制作会社を経営する安井さんと安井さんの会社のスタッフが担当しています。安井さんはプロなので、サムネイルやタイトルの付け方、演出方法などがとても勉強になります。また、視聴者が聞きたいことを安井さんが代わりに聞いてくれることも、動画を見やすくしています。一人で淡々と話すのはハードルが高いという方は、気心の知れた同僚と一緒に動画撮影にのぞめば、楽しく継続できるかもしれません。
動画活用がビジネスにもたらしたもの
さらにみなさんは実店舗の経営、YouTubeの収益、ECショップの売上では終わらず、さまざまなことに挑戦しています。
ラーメンろたすの高梨社長は、YouTube経由で出版のオファーがありラーメン本を出版。しかも、YouTubeチャンネル登録者数97.4万人を誇る、「SUSURU TV.」のSUSURUが厳選したラーメンが24時間365日いつでも買える冷凍自販機に、ラーメンろたすのラーメンが選ばれています。現在全国5ヶ所に設置されています。
ラ・ボッテガイアの青池社長も、4冊のレシピ本を出版されています。また、YouTubeでメンバーシッププログラムを運営する新たな挑戦を始めています。
ビルソンローラーズの門傳社長は、昨年、12週間オンライン製菓スクールを開校しました。
いかがでしょうか。自ら情報を発信したことで、新たなビジネスを作り上げているのです。動画活用のきっかけは、実店舗以外の収益性を上げるためや、集客目的でした。しかし、動画活用をきっかけに、収益性や集客力のアップはもちろん、ファンづくりや商圏の拡大にも大きく貢献しています。
高梨社長と門傳社長はコロナ以前からYouTubeに取り組んで、コロナ禍を追い風に業績を上げていきましたが、青池さんは少し違います。
銀座で3店舗のイタリアンレストランを経営していた青池さんは、コロナの影響を真正面から受けました。緊急事態宣言が発令され、オフィス街である銀座から人はいなくなります。そんな時に安井さんから動画活用の提案がありYouTubeをスタート。しかし、その後も銀座に人が戻ることはなく、7月に2店舗を閉店するという苦渋の決断を下します。その時の心の内を赤裸々に語ったドキュメンタリー動画が多くの人に届き、Aosトラットリアは人気チャンネルになったのです。
YouTubeにおけるレシピのジャンルは競合も多く、その中で差別化し、人気チャンネルにすることは決して簡単ではありません。しかし、小さな一歩が大きなビジネスチャンスにつながります。
最後に、取材当時、彼らからいただいたアドバイスをご紹介したいと思います。
高梨さん
「秘密のレシピをどんどん公開したことで、お客様は確実に増えました。情報をオープンにすることでのデメリットは全く感じていません」
青池さん
「動画はダイレクトにメッセージを届けることが出来るツールです。まずは100本の動画を作ることを目指してください」
門傳さん
「今のYouTubeに「絶対」は無い。勉強して、いろいろ試してみて、効果があるものをまた改善して良いものにしていくことが最善策です。大抵のことは、視聴者さんが教えてくれると思います。コメントはしっかり受け止めてください」
以前紹介した取材記事は以下です。こちらも、ぜひ、ご覧ください。
静岡県清水町のラーメン店 EC売上30倍! ビジネスYouTubeの合理的な成功法則
コロナで閉店・事業縮小に陥ったイタリアンレストラン 「動画」に活路を見出し 新たなビジネスチャンスを創造する
お客さまは世界。 「街のケーキ屋さん」に学ぶ動画活用
ラーメンろたす
静岡県駿東郡清水町堂庭8-7
【定休日】水曜日(祝日の場合も)
【営業時間】7:30-9:00(土日のみ)11:00-15:00 17:00-21:00
オンラインショップ:
https://ramenrotas.thebase.in/
株式会社フェリーチェ
ラ・ボッテガイア 公式
https://www.da-felice.com/bottegaia/
〒104-0061 東京都中央区銀座3-12-15 銀座細谷ビル1F
定休日:日曜日・月曜日
オンラインショップ
ビルソンローラーズ
YouTubeチャンネル 「ケーキ屋 ビルソンローラーズ bilsonrollers」
https://www.youtube.com/user/bilsonrollers
「12週間オンライン製菓学校」
https://essencebiz.com/bilsoncakeschool/
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